ピロリ菌と胃の病気     
ヘリコバクター・ピロリという名を御存知ですか!昔から日本人に多い胃、十二指腸の病気に深く関与している細菌です。いったいどんな菌なのでしょうか?
ピロリ菌ってなに?
 ピロリ菌は1983年にオーストラリアのB・J・マーシャルとJ・R・ワレンという二人の医師によって発見された胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍の原因となる細菌です。ピロリ菌は他の細菌が生存できない胃の中でも、ウレアーゼという尿素からアンモニアを作る酵素を持つため、酸を中和しながら生存できます。人の胃の十二指腸への出口にあたる幽門部(=ピロルス)の粘膜に密着して生存する螺旋形(=ヘリコ)のバクテリアであることから、「ヘリコバクター・ピロリ」と命名されました。ピロリ菌は通常人間の胃の中でしか生息しません。

どんな病気を起こすの?
 急性胃炎の症状としては胃痛、吐き気、嘔吐などがありますが、知らずして起こった感染による慢性胃炎のほとんどは無症状です。ピロリ菌による慢性胃炎が胃潰瘍や十二指腸潰瘍になることがあります。実際、胃潰瘍では90%、十二指腸潰瘍では95%以上の患者でピロリ菌感染があります。過形成ポリープといわれる胃にできる良性のポリープや、まれに胃に起こる悪性のMALTリンパ腫もピロリ菌によって起こります。ピロリ菌を除菌することによって潰瘍や胃炎が治り、過形成ポリープやMALTリンパ腫が消失しえることが証明されています。

どのように診断するの?
 ピロリ菌の判定には、胃カメラ施行時に採取した胃粘膜サンプルを用いウレアーゼ酵素の反応によって短時間に判定する方法や、血液や尿から抗体を調べる方法が一般的に用いられています。胃粘膜サンプルから菌の培養をするか、特別な染色法により顕微鏡下で観察する方法、便の中に検出されるピロリ菌の抗原を検出する方法もあります。これらの検査はいずれも90%前後の感受性(感染者を感染者として識別する確率)です。
 ピロリ菌の感染を最も正確に確認するには、尿素を含む試薬を飲んでから息のサンプルを調べる尿素呼気法という感受性98%以上の検査があります。

どのように治療するの?
 潰瘍薬で胃酸を抑えるランソプラゾール(30mg)1カプセルずつを朝夕に2回、アモキサシリン(250mg)3カプセルずつを朝夕2回とクラリスロマイシン(200mg)2錠ずつを朝夕2回、3薬を計7日間服用します。欧米よりも短い投与期間なのですが、約90%の除菌率が得られています。

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