脂肪肝
肝細胞の中に中性脂肪を主とした脂肪がたまった状態をさします。フランス料理で有名なフォアグラは人工的に脂肪肝を造ったものです。
検診での異常検査所見の中で肝機能障害は約12%が陽性と多く、その中の大部分は脂肪肝です。
(1) 原因
原因には飲酒、肥満、糖尿病、薬剤性、妊娠性、循環障害、中心静脈栄養などさまざまなものがありますが、
これらの中で多いのは飲酒、肥満および糖尿病です。
アルコールを日本酒換算で一日三合以上を1から3週間の期間毎日飲みつづけると大部分の人が脂肪肝になります。
肥満症の患者では、約20―30%の患者に脂肪肝が見られます。
コントロールの悪い糖尿病患者では約半数に、コントロールされている糖尿病患者でも4分の1に脂肪肝が見られます。
(2) 症状
脂肪肝は検診などで偶然指摘されるなど、自覚症状のない例も多いのですが、
疲れ易い、だるい、右季肋部(右肋骨の下)痛、腹部膨満などの症状を訴えることもあります。
過剰飲酒や糖尿病などに伴う急激な脂肪の蓄積では右季肋部の痛みをきたすこともあります。
(3) 検査と診断
a.血液生化学データ
脂肪肝はまずGOT、GPTの軽度高値としてとらえられることが多いのです.
コリンエステラーゼの高値、アルブミン、総コレステロール、中性脂肪、LDLの高値など特徴的な検査所見としてあげられます。
b.画像診断
超音波検査で脂肪肝に特徴的な所見として、肝臓のエコーの明るさの増加、腎臓に比べて肝臓のエコーが明るい、
深部エコーの減衰、脈管構造の不明瞭化などが認められます。
CTスキャンでは、肝臓の低いCT値、脾臓より低値であったり、門脈や肝静脈などの脈管構造が不明瞭になるなどが特徴的です。
c.組織学的診断
脂肪肝の最終的な診断は肝生検による組織学的診断ですが、
上記の血液生化学的検査や画像診断などで特徴的なものであれば、通常は生検まで必要としません。
(4)治療
脂肪肝の原因となっている飲酒、過食、運動不足などの生活習慣は、
他の高脂血症にともなう疾患をきたすことより軽視できません。
脂肪肝はそれ自体が症状もなく、短期的には生命への危険も少ないため、薬物療法はあくまでも補助的にし、
食事、運動、飲酒など患者の生活習慣の改善を目標とします。
食事は先ず摂取するエネルギーと脂肪の量を減量します。
日常生活上では30分以上の少し汗をかくぐらいの早足歩行を習慣化します。
心疾患のある人は運動の開始前に主治医に相談して下さい。
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