血圧は1日中一定ではなく、刻々と変化しています。
健康な人の血圧は、夜寝ている間は低く、朝方にかけて上昇しはじめ、昼間起きている時間帯は高くなります。
ところが最近、降圧薬を服用して昼間の血圧が正常でも、朝の血圧が特に高くなる「早朝高血圧」の人が多いことがわかってきました。
「早朝高血圧」の血圧の動きには、2パターンあります。1つは、夜の血圧は低く、朝目が覚めると同時に血圧が急上昇する
「モーニングサージ」とよばれるタイプです。もう1つは、夜の血圧が下がらないまま、
なだらかに上昇して朝方にピークを迎えるタイプです。
心疾患だけでなく、脳卒中なども早朝から午前中に多く起こることから、早朝高血圧と関係があると考えられています。
早朝高血圧のなかでも、朝の血圧が急激に上がる「モーニングサージ」タイプの人では脳卒中の発症率が19%であったのに対し、
モーニングサージがない人では7.3%であったことから、モーニングサージがあると
脳卒中の危険性が約3倍も高くなることがわかりました。
1日のなかで血圧が変動するのは、血圧に影響を与える神経などの活性が変化するからです。
なかでも、心臓の動きを活発にしたり、血管を収縮させる交感神経は、早朝の血圧上昇に影響を与えます。
普通、夜になると交感神経の動きが弱まり、血圧は低くなります。早朝、交感神経が活性化しはじめ、血圧が上昇し、
昼間になると血圧が1日中で最も高くなります。このことから、早朝に血圧が急に上がるのは、
起床時間に交感神経の活性が特に強くなっていることが原因と考えられています。
また、交感神経の活性が高まると、血圧上昇だけでなく、血管の収縮により血液が流れにくくなり、血液が固まりやすくなります。
このことから、早朝高血圧は、脳卒中や心筋梗塞といった生命にかかわる病気の引き金になる可能性がありますので、
注意が必要と考えられています。
早朝高血圧の患者さんが特に注意しなければならないことは、起床のしかたです。
目が覚めると同時に元気よく起きだすと、交感神経が急激に活性化して血圧がいっきに上がってしまいます。
目覚めて10分間くらいは布団の中で安静にして、それから起きだすくらいがちょうどよいでしょう。
また、起床後もなるべく余裕をもって行動しましょう。急いで行動することも、血圧を上げる原因となります。
血圧を上げないように、朝はなるべくゆっくり過ごしましょう。